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石坂 暢琢

庭園の美しさを再築する

京都市にて歴史ある日本庭園の管理作業でした。



この日は社長と共に陽明学を学ぶえびす大学の皆様と、一緒に作業させていただきました。



随分と大きくなりすぎた灌木類をひこばえ(わき芽)の高さまで切り下げて更新することが今回の作業です。






部屋からの全景です。各所に燈籠が設置してあり、景色の邪魔をしない飛び石は燈籠への道で、歩く人を楽しませる仕掛けが飛び石や目線の先の景石にあります。


しっかりと日本庭園の構成がみられるなぁとワクワクしながら、空間全体を把握します。




こういう仕事(強剪定)を行う際には庭の未来(完成形)が見えている人が1人指示を出し、複数個所ある視点場から確認を行います。


写真のように作業中は全体が見えなくなるため


ビフォーアフターです。





庭の構成がはっきりと見えるようになりました。今まで植木で隠れていた石があらわになり、燈籠や飛び石に目がいく本来の姿に戻ったように思います。






参加者のある一人の男性が、園路を周遊しながら「どこから見ても綺麗に見えるのはなんで?」と疑問を持たれていました。うまく答えられているかわかりませんが、それは植木や景石の配置や種の選択すべてが絶妙な兼ね合いで、一つ一つが主張するのではなく互いを引き立たせるように計画されているからです。



日本庭園の素晴らしさを再確認しました。。




作業後、参加者の皆様と灯の灯った庭園を眺めながらふと「全部が自然に囲まれてる。」と、外を走るオートバイの音を遠くに聴きながら感じました。



敷地を囲うのは竹垣、木塀、その上部にはカシの木やシイの木の生垣などすべてが自然に遮蔽されています。


全てが土に還る素材で囲まれた囲繞空間は、外界を心地よく遮断し、そこだけに広がる小宇宙を形成しているのだなあと、改めて日本の庭園の美しさに感動した一日でした。

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